【2023 SDGs未来都市アワード 市民部門のSDGs賞】NPO法人SoELaについてご紹介

2023 SDGs未来都市アワードの「市民部門 SDGs賞」を受賞した取り組みおよびSDGsの更なる達成に向けた現在の取り組み・今後の展望についてご紹介します。

NPO法人SoELaが取り組む「地球環境カードゲームマイアースによる子ども向け環境教育事業」について代表理事の岡部佳文さんにお話を伺いました。

【北九州SDGs未来都市アワードとは?】

SDGs達成に向けて取り組む活動者の意欲の向上と、本市におけるこれらの活動をより一層発展させることを目的とし、SDGsの達成に貢献する「持続可能な社会づくり」やそれを担う「人づくり」の活動を表彰するものです。

詳細は、こちらからご確認してください。

https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/02000181.html

(写真)岡部 佳文 代表理事

2023 北九州SDGs未来都市アワード受賞、おめでとうございます。マイアースについて詳しく教えて下さい。

岡部さん 私たちの活動が評価されたことを大変嬉しく思っています。

環境学習ゲーム「マイアース」を通じて、子どもたちに地球環境について楽しく学んでもらう取り組みです。マイアースは、トレーディングカードゲームの仕組みを活用し、地球を守るチーム(青いカード)と地球を破壊するチーム(赤いカード)が対戦しながら、環境問題を学べるゲームです。

さらに、人間の活動を表す黄色いカードを通じて、企業や自治体の環境活動についても学ぶことができます。

この取り組みを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

岡部さん このゲームの発案は2008年に遡ります。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生が考案し、私が当時勤務していた印刷会社で企業内起業の形で事業化しました。地球環境の問題は多くの人にとって「遠い」ものとして捉えられがちです。

そこで、子どもたちが慣れ親しんでいるトレーディングカードを活用し、環境学習を楽しく身近なものにすることを目指しました。

北九州のカードを製作されたことについて教えて下さい。

岡部さん 今回の活動の大きな成果の一つが、北九州の環境に特化したカードの制作です。これまでも、小田原・箱根・阿蘇・釧路といった地域ごとの生態系カードを作ってきましたが、私が北九州出身であることもあり、地元の環境について子どもたちに学んでもらいたいという思いから、北九州版を制作しました。

かつて北九州は公害問題が深刻でしたが、現在は環境先進都市として再生を遂げています。その歴史を伝えることも、環境を考える上で重要だと考えています。

北九州響灘パッケージ

取り組みを進める上で、苦労されたことや工夫されたことについてお聞かせください。

岡部さん プロジェクトを進める上で、まず北九州市に拠点を持つことが課題でした。地元出身とはいえ、北九州での仕事の経験がなかったため、人脈が全くなかったのです。そこで、北九州市に相談しながら進めることになりました。その結果、市内の機関や団体の協力を得られ、基盤を固めることができました。

また、地域のカードは地域の学生が作ることに意義があると考え、市内の大学の協力を得て、授業の中で生態系カードを作成するプログラムを実施しました。さらに、北九州特有の環境問題である「磯焼け」のカードも制作しました。

人間の活動カードについては、「雑紙回収でごみを減らそう」という北九州市の取り組みを題材にしました。このカードは小学6年生が制作したもので、全国初の小学生が作ったマイアースカードとなります。さらに、地元企業が協賛し、カードの印刷も市内の事業者に依頼しました。

ゲームのコンセプトとねらいについて教えて下さい。

岡部さん 「遊ぶ」・「学ぶ」・「作る」が3大コンセプトです。ゲームとして遊ぶだけでなく、各カードには、生態系や環境破壊、人間の活動などの説明が書かれておりますので、図鑑のように楽しみながら勉強の教材にもなります。ワークショップなどでオリジナルカードを作るといった楽しみもあります。

産学官が完全に連携して制作を行ったのは北九州が初ですので全国にアピールできる成功事例と言えます。

今後他の地域で展開するにあたり良いモデルができたと思っています。

「地域の方々と連携して地球の未来を担う子どもたちに、今の大人が出来ることは何だろう」ということがテーマであり、地域の大人が子どもたちのできる教育の在り方を伝えることもポイントです。要するに地域の方と一緒に創り上げたことが大きいです。

受賞後の反響と活動の広がりについてはいかがでしょうか?

岡部さん 受賞後、北九州市の子どもたちからの反響は非常に大きく、イベントでは予想以上の参加者が集まりました。例えば、市内で開催された祭りでは、1日で150人もの子どもたちがゲームに参加しました。学校の授業でも好評で、保護者からの問い合わせも増えています。

また、受賞の効果もあり、「令和6年度NPO公益活動支援事業補助金」にも採択されました。さらに、市内のの大学生が中心となって「マイアースプロジェクト北九州」を立ち上げ、イベント運営やファシリテーションを行うなど、持続可能な体制づくりが進んでいます。

今後の展望ついてお聞かせください。

岡部さん 今後の目標として、全国の学生ファシリテーターネットワークの構築を検討しています。また、企業の協賛を増やし、「陸」や「川」のパッケージの制作や「海」のパッケージのバリエーション拡大も進めていきます。今年度は福岡市で「玄界灘」パッケージを制作し、北九州市と福岡市のコラボイベントも計画中です。

さらに、北九州市のお土産としての販売や、英語版の開発も視野に入れており、地域経済にも貢献していきたいと考えています。そのためにも、さらなる企業の協賛が必要です。

最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします。

岡部さん 今後、市販版の製作やイベントの開催を予定しています。

より多くの方々にマイアースを楽しんでいただき、環境について考えるきっかけになれば嬉しいです。これからも応援よろしくお願いいたします!

会社概要

  • 団体・組織名:NPO法人SoELa
  • 代表:代表理事 岡部 佳文
  • 所在地:神奈川県川崎市麻生区白山4-5-2-1106
  • 事業内容:教育事業を活動ドメインに子ども向け環境教育、学校向けPBL支援
  • 創業:2016年
  • 企業HP:https://www.soela.jp

北九州SDGsステーション事務局

所在地

〒802-0006 北九州市小倉北区魚町1丁目1-9
(小倉駅南口から徒歩5分)

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